○北島町職員におけるハラスメント防止対策実施要綱

令和3年7月31日

北島町要綱第36号

(目的)

第1条 この要綱は、ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにハラスメントに起因する問題が生じた場合に適切に対応するための措置等に必要な事項を定めることによって、職員が能力を十分に発揮できるような良好な勤務環境を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) ハラスメント

職員の人格若しくは尊厳を著しく害し、職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、又は不利益若しくは勤務意欲の低下をもたらす不適切な言動の総称をいう。

(2) セクシュアルハラスメント

他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動をいう。

(3) パワーハラスメント

職務上の地位、人間関係等の職場内の優位性を背景に、業務の適正な指導の範囲を逸脱し、職員が他の職員に対して精神的若しくは身体的苦痛を与え、又は他の職員の勤務環境を害する言動をいう。

(4) 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント

職員が妊娠し、若しくは出産したこと又は育児・介護に関する制度を利用することに関して、職場において上司又は同僚から行われる当該職員の職場環境が害される言動をいう。

(5) その他のハラスメント

セクシュアルハラスメント及びパワーハラスメント以外のハラスメントをいう。

(6) ハラスメントの防止及び排除

ハラスメントが行われることを未然に防ぐとともに、ハラスメントが現に行われている場合にその行為を制止し、及びその状態を解消することをいう。

(7) ハラスメントに起因する問題

ハラスメントにより職員の勤務環境が害されること及びハラスメントへの対応に起因して職員がその勤務条件につき不利益を受けることをいう。

(8) 職員

定年前再任用短時間勤務職員、任期付職員、臨時的任用職員及び会計年度任用職員を含む全ての北島町職員をいう。

(不利益取扱いの禁止)

第3条 職員は、ハラスメントに対する拒否、苦情の申出、当該苦情等に係る調査への協力その他ハラスメントに関し正当な対応をしたことにより、いかなる不利益も受けない。

(職員の認識すべき事項)

第4条 ハラスメントに関し職員が認識すべき事項は、次のとおりとする。

2 ハラスメントをしないようにするために職員が認識すべき事項

(1) ハラスメント全般に関する事項

 相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かった場合は、同じ言動を繰り返さないこと。

 勤務時間外及び職場外においてもハラスメントの防止に努める必要があること。

(2) セクシュアルハラスメントに関する事項

 性に関する言動に対する受け止め方には個人間、男女間等で差があり、セクシュアルハラスメントであるか否かについては、相手の判断が重要であること。

 セクシュアルハラスメントであるか否かについて、相手からいつも意思表示があるとは限らないこと。

 職員がその職務に従事する際に接することとなる職員以外の者との関係におけるセクシュアルハラスメントについても、注意する必要があること。

(3) パワーハラスメントに関する事項

 上司として、指導、監督及び教養(以下「指導等」という。)を行う場合であっても、表現、回数、態様等によってはパワーハラスメントに該当する場合があること。

 上司から部下への行為に限らず、上司、同僚等に対して様々な優位性を背景に行う行為もパワーハラスメントに該当する場合があること。

 指導等を行う場合であっても、一時的な感情で一方的に相手を傷つけるような言動はパワーハラスメントに該当する場合があること。

 指導等の意図にかかわらず、相手の人格又は尊厳を害する言動はパワーハラスメントに該当する場合があること。

 相手を無視する行為、孤立させる行為又は職務執行に必要な情報若しくは仕事を与えない行為もパワーハラスメントに該当すること。

 不必要な時間外勤務、深夜における勤務又は過重労働を強制することもパワーハラスメントに該当すること。

(4) 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに関する事項

 職員に対して次に掲げる事由に関してする言動に注意すること。

(ア) 妊娠したこと。

(イ) 出産したこと。

(ウ) 妊娠又は出産に起因する症状により勤務することができないこと若しくはできなかったこと又は能率が低下したこと。

(エ) 不妊治療を受けること。

 職員に対して妊娠、出産、育児又は介護に関する制度又は措置の利用に関してする言動に注意すること。

(5) その他のハラスメントに関する事項

セクシュアルハラスメント及びパワーハラスメントに限らず、職員の人格若しくは尊厳を著しく害し、職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、又は職員に不利益若しくは勤務意欲の低下をもたらす言動は、ハラスメントとなり得ること。

3 職場の構成員として良好な勤務環境を確保するために職員が認識すべき事項

(1) ハラスメントについて問題提起する職員をトラブルメーカーと見たり、ハラスメントに起因する問題を当事者間の個人的な問題として片付けないこと。

(2) 職場においてハラスメントに起因する問題を生じさせないようにするために、周囲に対する気配りをし、必要な行動をとること。

4 ハラスメントに起因する問題が生じた場合にこれによる被害を深刻にしないために職員が認識すべき事項

(1) 基本的心構え

 1人で我慢しているだけでは、問題は解決しないこと。

 問題を解決するための行動をためらわないこと。

(2) ハラスメントによる被害を受けたと思うときに望まれる対応

 嫌なことは相手に対して明確に意思表示をすること。

 信頼できる人に相談すること。

 ハラスメント等の内容を記録しておくこと。

(所属長の責務)

第5条 所属長は、職員がその能率を十分に発揮できるような職場環境を確保し、ハラスメントの防止及び排除を行うため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 自らハラスメントに関する認識を深めるとともに、日頃の執務を通じた指導等により、ハラスメントに関し、所属職員の注意を喚起し、ハラスメントに関する認識を深めさせること。

(2) 職場においてハラスメントが生じていないか、又は生じるおそれがないか、所属職員の言動に十分な注意を払うこと。

(3) ハラスメントに起因する問題が生じていないか、所属職員の言動に十分な注意を払い、勤務環境を害する言動を見逃さないようにすること。

(4) 職員がハラスメントに関し正当な対応をしたことにより、当該職員が職場において不利益を受けることがないようにしなければならないこと。

(5) 職員からハラスメントに関する苦情等の申出及び相談(以下「相談等」という。)があった場合には、真摯かつ迅速に対応すること。

2 所属長は、ハラスメントに起因する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に対処しなければならない。

(職員の責務)

第6条 職員はハラスメントのない良好な勤務環境を実現するため、ハラスメントに関する認識を深めるとともに、自らハラスメントを行わないようにしなければならない。

2 職員は、ハラスメント又はハラスメントに起因する問題が生じた場合において、事実関係の調査が行われるときは、これに協力しなければならない。

3 職場は、ハラスメント又はハラスメントに起因する問題について必要な報告を求められたときは、これに協力しなければならない。

(研修)

第7条 町は、ハラスメントの防止を図るため、職員の意識啓発に向けた必要な研修を実施するものとする。

(相談等窓口の設置)

第8条 相談等に対応するため、次により相談苦情処理窓口(以下「窓口」という。)を設け、次の相談員を置く。

(1) 主に専門的見地から相談業務に従事する外部相談員

(2) 総務課職員及び教育委員会事務局職員

(3) 職員労働組合が推薦する職員

2 窓口においては、男性1名以上及び女性1名以上の3名以上をもって相談等に対応するものとし、必ず1名は記録係とする。ただし、前項第1号は除く。

3 窓口においては、ハラスメントによる直接の被害者(以下「本人」という。)だけでなく、他の職員により相談等が寄せられた場合においても、これに対応するものとする。

4 相談等に対応する窓口の職員は、別に定める相談マニュアルにより対応する。

5 窓口の職員は、ハラスメントが生じている場合だけでなく、ハラスメントを未然に防止する観点から、その発生のおそれがある場合又はハラスメントに該当するか否か微妙な事案についても、相談等として受け付けるものとする。

(相談等の処理)

第9条 前条の規定により窓口に相談等があった場合は、総務課に報告し、総務課は速やかに次に掲げる措置を講ずるものとする。

(1) 複数の職員(総務課員及び総務課より推薦する職員)によりハラスメントを行ったといわれる職員(以下「相手」という。)に事実関係の確認を行うものとする。

(2) 必要に応じて「第三者」に事実関係の確認を行うものとする。

事実関係の確認により、誤解であると判断した場合には、本人及び相手に説明するものとする。

(3) 事実関係の確認により事実関係があると判断され、次の事項のいずれかに該当する場合は、次条に規定するハラスメント調査委員会にその処理を依頼するものとする。

 本人が希望する場合

 当該相談等の受付日以前5年以内に、相手に対する相談等が1件以上あった場合

 当該相談等の受付日以前5年以内に、本人に対するハラスメント行為が2回以上繰り返されていると認められる場合

 当該相談等の事由により、本人又は他の職員に身体的又は精神的不調が認められる場合

(4) 事案の内容又は状況により、弁護士に意見を求め、又、次条ハラスメント調査委員会に出席を求めることができる。

(ハラスメント調査委員会)

第9条の2 相談等のうち前条の規定によりその処理を依頼された事案(以下「事案」という。)について調査、検証、評価及び提言を行うため、ハラスメント調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置する。

2 調査委員会は、事案の審議のために必要があると認めるときは、本人、相手及び第三者に対して、事情聴取及び必要な資料等の提出について協力を求めることができる。

3 調査委員会は、男性1名以上及び女性1名以上を構成員とする別表第1に掲げる委員をもって組織する。ただし、調査委員会の委員が事案の当事者又は関係者になる等、何らかの事情が生じた場合は、相当職の代行者をこれに充てるものとする。

4 調査委員会に調査委員長を置き、委員の互選により選任する。

5 調査委員長は、会務を総括し、調査委員会を代表する。

6 調査委員会の庶務は、総務課において処理する。

7 調査委員会委員の報償費及び旅費については、特別職の職員の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和39年北島町条例第10号)別表に規定する職員倫理審査会委員に準じ支給する。ただし、町長、副町長、教育長又はその他の有給の職員が調査委員会委員となるときは支給しない。

(ハラスメント防止対策委員会)

第10条 ハラスメントの再発防止対策を検討するためハラスメント防止対策委員会(以下「防止対策委員会」という。)を設置する。

2 防止対策委員会は、相談等の事実確認及び調査委員会の提言をもとに第7条の規定による研修等の計画を見直し、再発防止策の取りまとめを行う。

3 防止対策委員会は、男性1名以上及び女性1名以上を構成員とする別表第2に掲げる委員をもって組織する。ただし、防止対策委員会の委員が事案の当事者又は関係者になる等、何らかの事情が生じた場合は、相当職の代行者をこれに充てるものとする。

4 防止対策委員会に防止対策委員長を置き、副町長又は副町長が指名する委員をもってこれに充てる。

5 防止対策委員長は、会務を総括し、防止対策委員会を代表する。

6 防止対策委員会の庶務は、総務課において処理する。

7 防止対策委員会委員の報酬については、支給しない。

(プライバシーの保護等)

第11条 相談等の処理を担当する職員及び調査委員会の委員は、関係者のプライバシーの保護及び秘密の保護を徹底し、関係者が不利益な取扱いを受けないように留意しなければならない。

(対応措置)

第12条 調査委員会において、事情聴取等の判定により、職員が行ったハラスメント行為が信用失墜行為又は全体の奉仕者としてふさわしくない非行等に該当すると認められるときは、その程度に応じ、懲戒処分等を任命権者に求めるものとする。

(相談の方法)

第13条 窓口への相談等は、相談員に申し出ること及び電子メールにより行うことも可能とする。

(補則)

第14条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、別に定める。

1 この要綱は、令和3年8月1日から施行する。

(令和4年6月24日要綱第35号)

この要綱は、令和4年7月1日から施行する。

(令和4年9月21日訓令第5号)

この訓令は、公布の日から施行する。

(令和5年3月20日訓令第1号抄)

(施行期日)

第1条 この訓令は、令和5年4月1日から施行する。

(定義)

第2条 この附則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 令和3年改正法 地方公務員法の一部を改正する法律(令和3年法律第63号)をいう。

(2) 暫定再任用職員 令和3年改正法附則第4条第1項若しくは第2項、第5条第1項若しくは第3項、第6条第1項若しくは第2項又は第7条第1項若しくは第3項の規定により採用された職員をいう。

(3) 定年前再任用短時間勤務職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第22条の4第1項又は第22条の5第1項の規定により採用された職員をいう。

(北島町職員におけるハラスメント防止対策実施要綱の一部改正に伴う経過措置)

第4条 暫定再任用職員は、定年前再任用短時間勤務職員とみなして、第2条の規定による改正後の北島町職員におけるハラスメント防止対策実施要綱の規定を適用する。

別表第1(第9条の2関係)

副町長

総務課長

行政相談員

専門的助言を行う委員(弁護士、社会福祉労務士、学識経験者等)

別表第2(第10条関係)

副町長

総務課長

総務課人事担当者

社会教育人権担当者

組合が推薦する職員

北島町職員におけるハラスメント防止対策実施要綱

令和3年7月31日 要綱第36号

(令和5年4月1日施行)