文化ジャーナル(平成16年6月号)

2004年6月1日

文化ジャーナル6月号

創世ホール自主事業10年の足跡

北島町立図書館・創世ホールは、1994年6月2日にオープンした。2004年6月2日でちょうど開館10年となるので、この機会に創世ホール自主事業の足跡を振り返っておきたい。

まず《創世ホール講演会》シリーズ。これは年1回の開催で(時期は年度末か秋)、様々な角度から書物文化を捉えようということで取り組んでいる。全て講師先生との直接交渉による企画である。

次に《北島クラシカル・エレガンス》。これは2月頃の開催で、基本的には「中世・ルネサンス時代の西洋音楽」(古楽)を国内演奏家のステージで探求するものである。タブラトゥーラやダンスリー・ルネサンス合奏団や平井+佐野夫妻はそれぞれ2回ずつ登場している。つのだたかしさんと波多野睦美さんにおかれては、タブラトゥーラも含め3回登場している。こんな町村は全国的に極めて珍しいと断言してよいと思う。2003年と2004年の催しはそれぞれ《北島クラシカル・エレガンス》のスペシャル版であり、それぞれのチラシには「二十世紀の音楽」「二十世紀日本の音楽」と記した。

2004年2月28・29両日は初めての試みとして、講演会と演奏会を連動させた。すなわち《伊福部昭先生卒寿記念祭》として28日に木部与巴仁(きべ・よはに)氏の講演会、28日に野坂惠子さんの演奏会を開いたのである。私の企画者生活10年の総決算的催しだった。

以下に《講演会》と《クラシカル・エレガンス》の記録を時系列で掲載しておこう。2つとも予算がついている自主事業である。なお、今年度は厳しい財政状況を反映して、音楽事業の予算はゼロになっている。従って、例年《北島クラシカル・エレガンス》として開いてきた演奏会は、2004年度(平成16年度)はありません。


町予算のある自主事業

《創世ホール講演会》

  • 1996年3月17日◎紀田順一郎「書物と人生~辞典づくりに賭けた人々」◎300人◎スライド使用◎「徳島新聞」文化面に講演抄録掲載
  • 1997年3月16日◎松田哲夫「本作りに賭けた情熱~宮武外骨、長井勝一、赤瀬川原平、・・・そしてデジタルへ」◎150人◎「徳島新聞」に講演抄録掲載
  • 1998年3月15日◎種村季弘「昭和を駆け抜けた2人の異端~澁澤龍彦と土方巽」◎200人◎「徳島新聞」に講演抄録掲載◎北島CATV放映
  • 1999年3月21日◎山前譲「私が愛した3人の探偵作家~江戸川乱歩、海野十三、山田風太郎」◎100人◎「徳島新聞」に講演抄録掲載
  • 1999年10月17日◎柴野拓美「日本SFを築いた人たち~SF同人誌『宇宙塵』40年の軌跡」◎170人
  • 2001年3月4日◎長谷邦夫「漫画風雲録~トキワ荘物語」◎200人◎「徳島新聞」に講演抄録掲載
  • 2001年10月20日◎杉浦康平「ブック・デザインの宇宙~本の森羅万象」「手のなかの宇宙」◎210人◎プロジェクター使用◎「徳島新聞」に講演抄録掲載
  • 2003年3月23日◎竹内博「3人の怪獣王~円谷英二、香山滋、大伴昌司」◎120人
  • 2004年2月28日◎木部与巴仁「伊福部昭・時代を超えた音楽」◎100人◎音楽演奏戸塚ふみ代(Vn)、木須康一(P)◎北島CATV放映

《北島クラシカル・エレガンス》

  • 1995年2月19日◎タブラトゥーラ「タブラトゥーラ・コンサート」◎350人
  • 1996年2月24日◎平井満美子+佐野健二「古きよきイギリスの愛の歌」◎330人
  • 1997年2月23日◎ダンスリー・ルネサンス合奏団「中世吟遊詩人物語・トリスタンの悲しみ」◎330人◎北島CATV放映
  • 1998年2月15日◎コンセエル・ノヴァ「エスタンピ・ナイト」◎320人◎北島CATV放映
  • 1999年1月28日◎カテリーナ古楽合奏団「中世・ルネサンス時代の音楽」◎250人◎北島CATV放映
  • 2000年2月1日◎タブラトゥーラ「ミレニアム・ライブ」◎350人◎北島CATV放映
  • 2002年2月18日◎平井満美子+佐野健二「古きよき愛の歌を集めて」◎250人◎北島CATV放映
  • 2001年2月24日◎ダンスリー・ルネサンス合奏団◎200人◎北島CATV放映
  • 2003年2月9日◎つのだたかし+波多野睦美「アルフォンシーナと海」◎300人
  • 2004年2月29日◎野坂惠子「伊福部昭の箏曲宇宙」◎210人◎北島CATV放映

このほか2階ギャラリーで1997年6月28日から7月6日にかけて「板東孝明のグラフィック・デザイン」展を開催し好評を博した。

以下に、町予算なしの事業を掲げる。これは、アイルランド~ケルト伝統音楽を探求する《北島トラディショナル・ナイト》が代表格。チケットを手売りしてその収益で殆ど全てをやりくりする形態だが、セタンタでついに海外アーティストが登場し、ザ・リフィ・バンクス・トリオで本場アイルランドのミュージシャンが創世ホールの舞台に立った。また高知のグレイグースのときには、当時外国語指導助手として羽ノ浦町にいた北アイルランド出身のショーナ・マッカーノンさんのアイリッシュ・ダンス共演が実現した。ダンスの際は、舞台床面保護のため、リノリューム板が必要なのだが、正規ルートの調達は経費がかかるため、実行委員の川竹道夫氏のしんせきの方から1万円という破格の安値で借りた。リノリューム板が物凄く重くて死にそうな思いで運んだことをよくおぼえている。

《旭堂南湖(きょくどう・なんこ)寄席》と《遠藤ミチロウ北島ライヴ》は最近のシリーズだが、好評なので続けてゆく心づもりである。


町予算なしの自主事業

《北島トラディショナル・ナイト》

  • 1997年11月14日◎シ・フォーク「アイルランド音楽の夕べ」◎250人◎北島CATV放映
  • 1998年11月6日◎ディングルズ・ヴュー「アイリッシュ・ハープの世界」◎230人◎北島CATV放映
  • 1999年11月21日◎ハード・トゥ・ファインド「北の調べ、ケルトの息吹き」◎230人◎北島CATV放映
  • 2000年11月4日◎カロランズ・カフェ「アイリッシュ・コンサート」◎170人◎北島CATV放映
  • 2001年11月24日◎グレイグース「アイルランド音楽の世界」◎250人◎北島CATV放映
  • 2002年10月13日◎セタンタ「郷愁のアイルランド音楽」◎300人
  • 2003年9月17日◎ザ・リフィ・バンクス・トリオ「アイルランド音楽への招待」◎330人◎北島CATV放映

《上方講談・旭堂南湖寄席》*2階ハイビジョンシアターで開催

  • 2002年12月14日◎旭堂南湖「江戸川乱歩一代記、赤穂義士伝」◎40人◎北島CATV放映
  • 2003年12月6日◎旭堂南湖「赤穂義士対海野十三」◎50人◎北島CATV放映

《遠藤ミチロウ》*2階ハイビジョンシアターで開催

  • 2004年1月18日◎遠藤ミチロウ「北島ライヴ」◎45人

このほか、ビデオ上映会「風の遺言~舞踏家・土方巽のめざしたもの」(2003年6月29日、講演:皆川学)、「北の交響曲~映画音楽[ゴジラ]のもう一つの顔」(2004年2月)等を開き、好評を得た。

今後とも創世ホールの活動に温かいご支援をお願いいたします。

(2004・05・29脱稿/文責:北島町立図書館・創世ホール館長 小西昌幸)

このページの
先頭へ