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文化ジャーナル(平成18年2月号)

文化ジャーナル2月号

紀田順一郎先生と四至本アイさんの手紙

【2006年1月19日到着電子書簡/紀田順一郎→小西昌幸】

小西昌幸様
寒い日が続きます。アルバム写真をありがとうございます。改めて講演の当日お世話になったことが想起され、感謝申し上げております。熱心な聴衆の方々も思い出されて、よい記念になります。
大伴昌司氏母堂との歓談も、きわめて貴重です。なかなかこの種の写真は残されないものです。母堂の矍鑠たるご様子には、おどろきます。このお会いしたことは、目下執筆中の回想記にも触れたいと思います。 とりあえず、お礼まで。 

紀田順一郎


【2006年1月26日到着書簡/四至本アイ(大伴昌司氏ご母堂)→小西昌幸】

小西昌幸様
寒中お見舞い申し上げます。写真(何枚も)と、創世ホール通信ありがとうございます。また先日は、小西様のおかげで、紀田様とお会いすることができ、嬉しく思っています。あれからすぐお帰りかと思い、羽田に近い品川としましたが、通信をみるとその後も色々とご用事があったご様子。貴重なお時間を長くおつき合い下され感謝申し上げます。ご迷惑でなかったら、またご上京の折は皆様を交えてお逢いしたいと願っています。
重ねて御礼まで。
四国も今冬はお寒いようですが、お元気でご活動のほどお祈り申し上げます。

1月24日

かしこ 四至本アイ


新刊書籍情報

三橋一夫 『腹話術師 ふしぎ小説集成(1)』

新刊表紙

三橋一夫 『鬼の末裔 ふしぎ小説集成(2)』

三橋一夫 『黒の血統 ふしぎ小説集成(3)』

1940年代後半から 60年代にかけて『新青年』、『宝石』、『キング』、『推理ストーリー』等に不思議小説とよばれる独特の幻想文学を発表した作家・三橋一夫(みつはし・かずお)の決定版的著作集。当館となじみの深い原田裕さんが代表を務める出版芸術社から刊行された。三橋は根強いファンをもつ作家で、過去2回ほど著作集が出ているが入手困難となっていた。今回は日下三蔵氏の編集で先の著作集を完全網羅し、さらに単行本未収録作品や未刊行作品等を増補し全66の極上短編が収められた。小説の面白さがとにかく味わえる。

  • 『腹話術師 ふしぎ小説集成(1)』出版芸術社、2005年10月20日発行。四六判ハードカバー・334頁。本体2400円+税。
  • 『鬼の末裔 ふしぎ小説集成(2)』出版芸術社、2005年11月20日発行。四六判ハードカバー・331頁。本体2400円+税。
  • 『黒の血統 ふしぎ小説集成(3)』出版芸術社、2005年12月20日発行。四六判ハードカバー・330頁。本体2400円+税。

『 種村季弘 ぼくたちの伯父さん』

2004年8月29日、71歳で逝去されたドイツ文学者・種村季弘 (たねむら・すえひろ)さんは創世ホールで 98年3月15日にご講演くださっている(「昭和を駆け抜けた2人の異端 澁澤龍彦と土方巽」)。当館は、毎号「創世ホール通信」を お送りしていた。種村さんは楽しくて優しい方だった。本書は種村さんの 追悼ムック。『澁澤龍彦全集』や 文庫作品集でゆかりの深い河出書房新社による手堅い編集である。「編集者の思い出」として桑原茂夫(元『現代詩手帖』)、松田哲夫(筑摩書房)、西館一郎(青土社)の3氏が文章を寄せ、「翻訳」「路地」「映画」「温泉」などのキーワードを手がかりに 高山宏や川本三郎などのツワ者が博識の人・種村さんを称えている。

『種村季弘 ぼくたちの伯父さん』

河出書房新社、2006年1月30日発行。A5判・192頁。本体1500円+税。

長谷邦夫『赤塚不二夫 天才ニャロメ伝』

伝説のトキワ荘関係者として知られる長谷邦夫(ながたに・くにお)さんは、赤塚不二夫さんと十代の頃からの盟友だった。氏は、フジオ・プロで赤塚氏の片腕として活躍し1992年に退社。現在は執筆活動をしながら大学や専門学校で漫画創作の技法などを教えている。日本漫画学会理事でもある。北島町立図書館・創世ホールは 2001年3月4日、長谷さんの講演会(「漫画風雲録・トキワ荘物語」)を開き、大好評を博した。本書は もっとも詳しく赤塚氏を知る長谷さんによる、漫画形式で描かれた赤塚不二夫評伝。先に刊行された実録小説『漫画に愛を叫んだ男たち』(清流出版)と完全に対をなす1冊といえよう。交流50年という事実がとにかく重たい。ありがたく読むべし。

『赤塚不二夫 天才ニャロメ伝』

マガジンハウス、2005年12月15日発行。四六判ハードカバー・232頁。本体1300円+税。

梶山允生・邦子『やわらかいブレイン 門脇俊一の独学・自由・創造』

門脇俊一(かどわき・しゅんいち)氏は香川県観音寺市に1913年6月に生まれた。日本画壇の野人、現代の浮世絵師と呼ばれる画家。92歳の今も絵筆をとり、百メートルを超える巨大な屏風絵をはじめ、風景画、植物図譜、仏画等々、ありとあらゆるジャンルの膨大な作品を描き、これまでに数多くの個展を開いている。とにかくあまりにも作品傾向が多方面にわたり、膨大であるため、一言で紹介するのは不可能な存在だ。本書は、その門脇画伯を深く尊敬する美馬市脇町の脇町画廊経営者梶山允生・邦子夫妻によって作られた、門脇ワールドへの入門書にして愛情溢れるテキストである。脇町画廊でも入手できる(脇町画廊TEL.0883-52-1707 美馬市脇町大字猪尻字西分134-1-1)。

『やわらかいブレイン 門脇俊一の独学・自由・創造』

出版芸術社、2005年10月20日発行。A5判ソフトカバー・127頁。本体2300円+税。

(2006年1月29日脱稿 敬称一部略 文責=北島町創世ホール企画広報担当 小西昌幸)

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