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文化ジャーナル(平成25年3月号)

文化ジャーナル3月号

根本圭助さん講演会ご支援に感謝

2月24日の根本圭助さん講演会「異能の画家・小松崎茂~少年の夢を描き続けた人」には約150名が集まり、楽しいものとなりました。県外からは私が把握しているだけでも、岡山から5名、千葉から2名、東京から2名、その他大阪堺市、愛媛、神戸などからファンの方が来てくださいました。そのうち岡山、千葉、東京の皆さんは前日からの徳島入りでした。

先月号にも書きましたが、根本さんは千葉県松戸市の人です。同じ松戸市から森優子さん(フリーアナウンサー、朗読家)、鈴木之彦さん(朗読舞台脚本家、演出家)も駆けつけて下さいました。森さんと鈴木さんは2011年7月に創世ホールで《朗読芝居・小泉八雲「怪談」》を上演されたコンビです。

SFイラストの第一人者・小松崎茂さんの生涯と作品について愛弟子の根本圭介さんが語る催しをという声は、実は以前から池田憲章氏にそそのかされていた(?)ことでした。その後、森さんや鈴木さんと深く交流するようになり、お二人からも親しい知人である根本さんのことをお伺いしていたので、この機会にぜひ講演会をやろうと決心したのでした。

講演会開催に当たって、小松崎作品をどのように見せるかということが、大きなポイントになりました。かなり悩みながら根本さんとお会いしたり、鈴木さんや池田さんの助言をいただきながら、催しを盛り上げるため2月に入ったら図書館での特別展示を行なう、講演本番では巨大画面に映像を投影するという結論に達しました。実は原画展示のお話もありましたが、それはリスクが大きいのでA3サイズにプリントしたものを図書館内に展示することにしました。

プロジェクターで小松崎さんの写真やイラスト作品を投影するにあたり、講師先生が映像操作をするか否か、投影はパワーポイントなのか別の方法なのか、ということが課題でした。最終的に映像資料は全て鈴木さんが静止画像のDVDを作成し、当日の操作も鈴木さんがやって下さいました。

上に書いたとおり、イラスト作品などのプリントと上映する資料の面で、全面的にお世話になったのが鈴木之彦さんでした。約30点のイラストや小松崎さんの写真の色彩調整とプリント、さらにマスコミ用のデジタル資料、投影する映像資料の作成などを一手に引き受けて下さったのが鈴木さんでした。実は一銭も鈴木さんには謝礼を支払っておりません。全く足を向けて眠れないとはこのことであります。深く深く感謝している次第です。

森優子さんにも、当日のアナウンスや講師紹介で本当にお世話になりました。森さんにも謝礼をお支払いしておりません(自慢しているわけではありません!)。鈴木さんと同じく深く感謝をし、千葉方面には足を向けて眠らないように心がけている次第です。お2人には、いつか北島町での朗読イベントの再演という形ででも恩返しが出来たらよいと考えています。

今回は進行面で大変悩みました。創世ホール講演会では客入れ時(入場時)には緞帳を下ろした状態で、会場内にピンク・フロイドのアルバム「炎」を静かに流します。「炎」の原題は「ウィッシュ・ユー・ワ―・ヒア」、あなたがここにいて欲しいの意味です。この講演会シリーズはある文化領域の偉大な先人に捧げるオマージュ的意味合いが強い催しです。ですからこの音楽を流すことで、先人の魂に(今回ならば小松崎さんに)会場に降りてきて欲しい、催しを見守って欲しいという願いを込めております。そして催し終了後は、グレゴリアン「運命の鐘(原題=HIGH HOPES、原曲演奏=ピンク・フロイド)」を荘厳に流すのです。この曲は、終演後、心を寄せていただいた全ての関係者に向けて祝福の鐘を響かせることを意図しての選曲です。この2の音楽の間に、開会の言葉(小西)、主催者あいさつ(副町長)、講師紹介(森さん)、講演(根本さん)、お礼の言葉(図書館等協議会委員長)、閉会の言葉(小西)が入るという構造なわけです。

今回は講演の冒頭に、小松崎さんの7分間のテレビ特集を流そうということになっていたので、前日に協議した結果、森さんに講師紹介をしていただきその終わりに映像を流してから、根本さんにご登壇いただくことにしました。

その打ち合わせの時に鈴木さんから「実は怪獣大戦争マーチにあわせて小松崎イラストがガンガン流れる映像を作ってみました」と言われお見せいただきました。その映像資料は躍動感にあふれる素晴らしいものでした。鈴木さんは、当初関係者試写用として作ったものでしたが、それを見た根本さんがこれも使いましょうとおっしゃったので、閉会後のボーナストラックとして流そうということになりました。この映像をどの時点で流すかということにも頭を悩ませましたが、結果として閉会時に「特別サービスでお見せします」といってサプライズ的に流すことができ、聴衆の反応も大変よかったので、大正解だったと考えています。おかげで前日の深夜まで(当日未明まで)、進行台本を手直しすることになりましたが、今となってはとても良い思い出になっています。

小松崎さんは「海底軍艦」や「マタンゴ」、「怪獣大戦争」、「宇宙大怪獣ドゴラ」等のデザインで東宝映画に関わっています(円谷英二の依頼で約10年間東宝特撮映画のメカニック・デザインなどを担当した)。板野町立図書館の三好館長は知る人ぞ知るガレージ・キットのコレクターなので、1メートルもある海底軍艦のキットなどもお持ちなのですが、当方の準備不足もあり、今回は展示を見送りました。三好館長にはぜひ地元で東宝特撮映画ガレージ・キットの大パノラマを展示していただきたいと考えています(三好館長はマタンゴやドゴラもお持ちです)。

講演会には、東京からSF特撮研究家の池田憲章氏も来て下さいました。昨年、弥生美術館で根本さんを交えて会った時に「僕も行けたら行きますよ」とおっしゃっていましたが、彼は大変多忙な人で、最近は林海象監督の「弥勒」(原作=稲垣足穂)の宣伝協力を頼まれているということを聞いておりましたので、催しの5日前に「前泊で行きますよ。チケットも買いました」という電話をいただいたときは、ちょっとびっくりしました。この種の出来事は企画者の心を揺さぶります。

前日の夜は、恒例の講師先生を囲む会を開きました。20人が集まり、和気あいあいとした集まりになりました。

当日パンフレットには、先月お伝えした愛媛県美術館【館長庵野秀明 特撮美術館】のほか、宝塚市立手塚治虫記念館の【日本SF作家クラブと手塚治虫】や、不気味社のCDチラシもはさみました。小松崎茂という偉大な画家をしのぶにふさわしい内容になったと思います。

会場ロビーでは、本やポスター、絵葉書セットを販売しましたが、約70点の売れ行きでした。『異能の画家・小松崎茂』『図説小松崎茂ワールド』は予想通りでしたが、国書刊行会の『ロマンとの遭遇』が早々と売り切れたのには驚きました。購入者には特典として、根本さん提供の大和のミニ・ポスターをプレゼントしました。

講演会の関連写真をいくつか掲載しておきます。2月9日撮影の遠藤ミチロウさんとの写真もあります。ご支援いただいた皆さんに深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。(20130301脱稿、文責=小西昌幸)

講演会の関連写真

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