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文化ジャーナル(平成25年10月号)

文化ジャーナル10月号
催し情報

11・7★子育て支援ファミリー・コンサート

11月7日(木)に創世ホール3階多目的ホールで、第2回の「子育て支援ファミリー・コンサート」を開催します。これは未就学児歓迎のコンサートです。昨年、徳島県警察音楽隊を招いて、非常に評判が高かったので、継続開催することにしたものです。入場無料、午前11時開演(10時半開場)です。今年も子どもさんたちが喜ぶような楽曲をおりまぜながら約30分間の演奏を繰り広げていただきます。北島幼稚園や、北島町立保育所の園児たちも客席に集合する予定です。皆さん、お気軽にご参集ください。

11・15★躍動するアイリッシュ音楽

翌週11月15日(金)には、【北島トラディショナル・ナイト17/躍動するアイリッシュ音楽~デイル・ラス&トム・クリーガン・コンサート】をします(創世ホール3階多目的ホール)。19時開演(18時半開場)。この企画は、今年初めにシ・フォークの吉田文夫さんから打診をいただいて決まったものです。当シリーズは、長く続いているため、アイリッシュ音楽演奏家にはかなり浸透しているようで、オファーをよくいただいています。実は来年、再来年の企画も既に進行中です(公表できませんが、来年は東京からの演奏家を招く予定)。今回のデイル・ラス&トム・クリーガンは、アメリカ・シアトル在住のアーティストです。デイル・ラス氏はベテランのフィドル(ヴァイオリン)奏者、トム・クリ―ガン氏はやはり優れたイリアン・パイプス奏者です。イリアン・パイプスはバグパイプの一種でひじを動かしてふいごを操作し風を送る構造です。世界にバグパイプは多くの種類があります。殆どはスコットランドのハイランド・バグパイプのように口から息(風)を吹き込むタイプですが、アイルランドのものはひじを動かして操作します(アイルランドの言葉〔ゲール語〕でひじのことをイリアンと言います)。私は昔からイリアン・パイプスの音色が大好きなのですが、この楽器は物凄く扱いにくく、日本の演奏家は珍しいです。日本人でプロとして演奏できる人は非常に少ないと思います。北島町では、シ・フォークの原口豊明さんが2度ステージで披露されたのみです(原口さんは我が国で5本の指に入るこの楽器の演奏家)。今回、海外のイリアン・パイプス演奏家が創世ホールのステージに立つということで私は胸を躍らせています。デイル・ラスさんは、セタンタのメンバーとして過去に創世ホールで演奏しています。また、北島町のステージでは特別サポートとして、マックフィドルズのジェイ・グレッグ氏(京都在住)がギターで参加し、音に厚みとアクセントを与えます。恐らく四国でこの顔触れの演奏を聴く機会は二度とないはずです。関心ある皆さん、万難を排してお集まりください。前売=大学・一般1700円、小中高1200円(当日各300円増)。

10・29★とりふね舞踏舎★あわぎんホール

次にあわぎんホール(郷土文化会館)での催しの紹介をします。昨年6月11日、文化の森イベントホールで【献花】を上演し話題をさらった三上賀代さん(阿南市出身)+とりふね舞踏舎が再び徳島で公演します。演目は【ガンジオ・ガンジオーマ―昭和ENKA集―】、会場はあわぎんホール。前回の会場は300人で満席でしたが今回は800席のホールです。ご支援をお願いいたします(私は前回応援させていただいたいきさつから今回も宣伝協力をしています)。構成・演出・振付は三上宥起夫氏(賀代さんの夫、元天井桟敷)。出演者の顔触れが物凄く、著名なダンサーの大野慶人(おおのよしと)さんがゲストで踊るほか、なんとJAシーザーが音楽生演奏で参加するので、ロック愛好家や天井桟敷愛好家は必見です。シーザー氏は、演劇実験室・天井桟敷~万有引力の舞台音楽、「田園に死す」「さらば箱舟」(監督寺山修司)などの映画音楽、最近ではアニメ作品「少女革命ウテナ」の挿入歌(「絶対運命黙示録」「バーチャルスター発生学」ほか)等で熱狂的なファンを持つ音楽家です。独特の呪術的音楽世界は一度とりこになればもう逃れることはできません。三上ご夫妻とシーザー氏は40年来の交流があり、とりふね舞踏舎の音楽はずっとシーザー氏が手掛けています。そんなJAシーザーの生の姿を徳島の舞台で見ることができるのは、おそらくこれが最初で最後になるのではないかと思われます。もちろん大野慶人さんをステージで見ることも最初で最後になる可能性が高いのです。大野慶人さんの父上は故大野一雄さん、土方巽と並ぶ暗黒舞踏の総帥です。そして土方巽の伝説の舞台「禁色」の共演者は若き日の慶人氏でした。このステージには徳島のオーディションで通過した選抜メンバーも参加する趣向です。前回文化の森のステージで、ラストに「アメイジング・グレイス」が荘厳に流れる中、涙を流している人が大勢いました。とりふね舞踏舎のステージにはそれぐらい筆舌に尽くしがたい、神々しいものが宿っていたのです。今回も泣く人が大勢いるのではないかと想像します●10月29日(火)19時開演(18時半開場)、あわぎんホール(郷土文化会館)。前売/一般3000円、学生2500円(当日各500円増)。

チラシ

新刊情報 ミステリー・ゾーンDVDコレクション

以前、創世ホール講演会で池田憲章氏が「ミステリー・ゾーン」のDVD全集が発売される動きがあると話されていましたが、ついに本年9月から正式全国発売となりました。隔週刊で3話収録のDVDマガジンとして刊行されています。過去に何度か日本版が発売され、数号で挫折していたようなので、大きな版元からの刊行を喜ばしく思います。「ミステリー・ゾーン」は原題「トワイライト・ゾーン」。1959年から1964年にかけて米国で放映された30分物のモノクロSFドラマです。プロデューサー、ナレーター、脚本で大活躍したロッド・サーリングは有名です。怪奇幻想ムードもあり、今見ても色あせていません。私(小西)は、90年前後(だったと思います)に関西テレビで深夜に再放送されているのを一生懸命VHSテープに録画していたことをおぼえています。同番組は、日本で言うと「ウルトラQ」のもっともすぐれたルーツあるいは祖先とでもいいますか、1時間モノの「アウターリミッツ(ウルトラゾーン)」と並ぶ《奇妙な味わいのドラマ》の最高峰です。私の印象に残っているエピソードでは、次のようなものがあります。アメリカの山深い場所に掘立小屋があり、男が暮らしています。その小屋の横の道を長い人々の行列が移動していきます。やがてその行列は死者の行進ではないかと印象付けられ、どうやらその男の家は、生と死の境に存在しているようです。列の最後にリンカーン大統領が歩いて来ます。そして男に「君も一緒に行こう」と誘います。実はその行進は南北戦争の死者たちのもので、山小屋の男も当該戦争の死者なのでした。生と死の狭間の世界に漂って迷いがあった男のもとに、最後にリンカーンがやってきて幕を引くという実に見事な結末であり、味わい深い余韻のあるものでした。日本の出版物に置き換えると「ミステリー・ゾーン」は『異色作家短篇集』(早川書房)のテイストに近いかも知れません●『ミステリー・ゾーンDVDコレクション』は、2013年9月4日創刊(隔週刊)。アシェット・コレクションズ・ジャパン発売。創刊号のみ本体752円。2号以降本体1705円。

『水木しげる漫画大全集』 講談社
『ゲゲゲの鬼太郎DVDマガジン』講談社
辻真先『戯作・誕生殺人事件』東京創元社

以下、紙幅の関係で短文紹介にて失礼します。講談社から京極夏彦監修『水木しげる漫画大全集』が刊行開始されています(第1期33巻、2013年6月~)。これがとてもよくできた構成で、正に決定版全集の風格を備えています。まずカラー頁はすべてカラーで収録し、初出との異同なども詳しく提示されています。これまでにも水木作品の貸本マンガ復刻はたくさん成されてきましたが、今回はA5サイズで、貸本作品4冊分ぐらいの分量が収録されることもあり、それで2000円台。これは実に安い良心価格です。

またそれと同時期に講談社から『ゲゲゲの鬼太郎DVDマガジン』も隔週刊で出ています。これは第1期(1968年1月‐1969年3月)と2期(1971年10月‐1972年9月)の鬼太郎アニメ作品全110話を27巻に収録するものです。今は第2期のアニメが放映順に4話ずつ発売されています。この時期の辻真先先生脚本作品は、公害問題などをストレートに反映した傑作揃いであり、特に人間たちの愚行にほとほと愛想をつかした謎の巨人が「いつかきっと人間は残らず後悔する。そのときになったら私は帰ってくるさ。手遅れにならなきゃいいが。ワハハハハ」と言い残して海に去ってゆく「原始さん」などは、心底ラディカルと言うにふさわしく、涙なくしてとても見ることはできません●『ゲゲゲの鬼太郎DVDマガジン』は2013年5月28日創刊(隔週刊)。創刊号のみ本体752円。2号以降本体1514円。

その辻真先先生の書き下ろし新作『戯作・誕生殺人事件』(東京創元社)も登場しました。辻真先さんは、読者が犯人だったという推理小説『仮題・中学殺人事件』を1972年に発表し、ミステリー界の話題をさらいました。本書は同書に登場する《キリコと薩次》シリーズの最終巻とされています。40年にわたって書かれたわけです。辻先生は1932年3月生まれで今年満81歳です。先日いただいた電子書簡で、これからは1作1作の本が自分の遺著のつもりですとお書きになっていました。ファンはこの言葉をかみしめなくてはなりません。2008年3月2日、辻先生の講演会「アニメ三国志~脚本執筆1500本・疾風怒濤の青春録」を開催し200人を集めたことは、創世ホールの誇りとするものです。辻先生のご健勝を祈ると共に、先生の超絶ミステリーを1人でも多くの人に味わっていただきたいと願います。

(2013年10月08日脱稿、文中一部敬称略、文責=北島町教育委員会事務局長・小西昌幸)

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